新しい楽器に出会うということと、楽器を知るということ

こんにちは、バスクラリネット吹きの八巻志帆です!


先日書いた、”NEWバスクラデビューの日”という記事について、私の周りの人と楽器との出会いの2つのエピソードと、書ききれなかったことをいくつか書きたいと思います。



生徒ちゃんと新しいバスクラとの出会い
大学生の生徒が、初めて自分の楽器を買いました。

彼女は中高とずっと、学校備品のクランポンのPrestigeを吹いてきましたが、大学に入って練習環境も変わり、備品のメーカーも変わったことから、購入を決めたようです。


購入する楽器のメーカーはクランポンと決めていましたが、PrestigeにするかToscaにするかで悩んでいたようで、2度ほど楽器を吹きに三木楽器へ。
私も最終決定に付き添わせていただき、きらっきらのPrestigeとToscaを吹かせてもらいました!



『どっちもすごくいい楽器だから、あとは自分が吹きたい方、大切にしていきたい方を選べばいいと思うよ』と伝えた上で悩んでもらい、結果彼女はToscaを選んでいました。

まだ私と彼女の付き合いも長くはありませんが、
『Toscaにします!』
と言った時、今まででいちばんの笑顔をしていて、嬉しかったなぁ。。

きっと彼女にとってあの瞬間は忘れられずにしっかり記憶に刻まれるんだろうな。
素敵な瞬間に立ち会えたなーと、幸せな気持ちの日でした。


楽器のポテンシャルは吹く人が決める
この写真は、数年前に私のジャズの先生から、ジャズクラリネット吹きの壱岐薫平くんへと渡ったバスクラです。
Noblet(ノブレ)のlow E♭管で、だいぶ年季の入ったいぶし銀な見た目をしています。


この楽器は低音の鳴りが抜群に良くて、ちょっと息を入れただけでツボにはまって、音がぶわっと広がるとても気持ちの良い一本です。
この楽器を吹いてきた人が、しっかり息を入れて、楽器をしっかり育てていたことがわかります。


先生が売りに出そうかなと言った時、正直、欲しくてたまらなかった…!

(壱岐くんが試奏している時の写真。いい笑顔。笑)

ノブレって、実は学校に備品として置いてあるバスクラとしてはかなりのシェアを占めるのではないかと思うくらい、レッスンに行くと出会うことの多い楽器です。

でも、相当な確率でメンテナンスされていない…。

壊れていることに気付かずに必死に練習をしていたり、
"この楽器はよくないので〜"と言って調整にも出さなかったり、
それでは楽器のポテンシャルを充分に発揮できないですよね。



"この楽器がすき!"
というのはもちろんのこと、
きちんと楽器を知る、ということが、上手くなる必要条件なのでしょうね。



ちなみに、壱岐くん購入のノブレちゃん、現在は彼の留学先のボストンで大活躍しているそうです。
バスクラって、需要が少ない&バスクラを作れる長さの木が少ない、などなどの事情によりどうしてもお値段が上がりがちです。

でも、"高い楽器=良い"とは決して一概には言えないと思うんです。



きちんと知って、練習することで、ふと出会った楽器の良さに気付けることも増えるかもしれません。




楽器の値段や練習環境などで、出したい音を諦めてしまう人が少しでも減ればいいなと考える日々です。



志帆

ShihoYamaki Official Website

Japanese Bassclarinet Player SHIHO YAMAKI

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