NEWアルバム・HAZAMAのこと②ー影響を受けた音楽たち
NEWアルバムについての記事、2つ目です。
①はこちらからご覧ください。
今日は、私の出会ってきた音楽と、バスクラリネットの世界について。
ほんの一部ですが、書いていきます。
大阪の相愛大学に、日本で初めて、バスクラリネットを専攻する学生として入学した私は、同期のバスクラリネット専攻生と共に、大学から様々な配慮やチャンスを与えてもらいました。
中でも最も大きなものは、オーケストラ・室内楽への参加だったと思います。
元々吹奏楽よりもオーケストラの曲を聴いて育った私には、ひたすらスコアを読む時間がとてつもなくおもしろくて、そこに自分の音が混ざる瞬間の鮮烈さは今でも体感として蘇ります。
ウィリアム・ウォルトン作曲のヴィオラコンチェルトや、
ラフマニノフのシンフォニー2番。
室内楽ではマックス・レーガーのクラリネットクインテットなど
メシアンやウェーベルンも好きでした。
大学生の時に出会った音楽はあまりにも多様で、たくさんの世界を見せてくれました。その多様な音楽を、指揮者の円光寺雅彦先生や、尾高忠明先生のもと、静寂と情熱を行き来しながら追い求めるー。
そんな時、たまたま足を止めたジャズのコーナーの一部で、それ以降私の心を掴んで離さないレーベルに出会います。
それが、"The Most Beautiful Sound Next To Silence"(「静寂の次に美しい音」)をコンセプトとする、ECM Recordsです。
きっかけはキース・ジャレットの"The Melody At Night With You"のアルバムジャケットが、あまりにも美しかったことと、かろうじてジャズピアニストであるキースの名前を知っていたこと。
それ以降、ECM のCDを頻繁に買うようになりました。
同時に、ヨーロッパのバスクラリネット吹きや、東欧や北欧の民族音楽・ヨーロッパ系のジャズに興味を持ち始めました。
まずはバスクラリネット奏者について。
この動画を見てください。
Hi Bill!という曲です。きちんと楽譜もあります。
初めてこの方のアルバムを聴いたとき、衝撃を受けました。こんなことをやる人がいるのか、と。
これを演奏しているフォルカー・ヘムケンは、普段はドイツ・ライプツィヒのゲヴァントハウス管弦楽団のソロバスクラリネットのポジションを担う正団員で、いわゆるドイツ管と呼ばれるエーラーシステムの楽器を使用しているようです。
(楽器のシステムについてはそれだけですごく長くなってしまうので今回は割愛しますが、日本で吹かれているほとんどのクラリネットはベーム式と呼ばれる仕組みです。私もこちら)
当時相愛大学に講師として来られていた鈴木豊人先生はエーラー式の楽器を使用されていたため、エーラー式の楽器を吹いている学生もわずかにいました。
運指の難しさなどを間近で見ていたために、ヘムケンの演奏を聴いて、このシステムでここまでかっこいいことをできるのか!というのと、オーケストラの団員でも、自分のかっこいいと思うことをしてもいいんだ、という事実に目の前が開けたようでした。
そして次はこの方、ミシェル・ポルタル。
リシャール・ガリアノとのデュオには本当にはまってしまい、何百回聴いたか分かりません。
コピーもたくさんしました。
これだけ聴くとタンゴやフリージャズの人、という印象が強いですが、ガリアノに関しては、クラシックの祭典 ラ・フォル・ジュルネに出演することもあります。
クラシックとはこういうもの、という凝り固まった思考の中にいた私には、そういう意味でも衝撃でした。
まだ紹介したい方がいるのですが、恐ろしく長くなってしまうので、次回に持ち越しとします。
読んでくださってありがとうございます。
またすぐに!
Amazon、タワーレコードでの先行予約を受け付けております。
ぜひご覧ください。
0コメント